アイルランドをぐるり周遊

「汽車に乗って、汽車に乗って、アイルランドのような田舎へ行こう」という丸山薫作詞の歌。筆者は中学生の頃に聴いた覚えがある。アイルランドはどんな田舎なのか・・6月上旬に訪ねてみた。ずーっとヨーロッパの西、イギリスの西側の大西洋に浮かぶ島で、面積は北海道とほぼ同じ、人口は約480万人。南のキンセールを始点に西海岸をぐるりと巡り、さらに北アイルランドを経由して東の首都ダブリンまでのルートを走る旅となった。そのワイルドな風景やケルト伝統文化、数々の史跡を写真に収め、その中から端折ってご紹介する

   
日本国歌「君が代」を作曲したジョン・ウィリアム・フェントンにゆかりのあるキンセールの聖マルトス教会。ステンドグラスが美しい!

   
キラーニ国立公園のダンロー渓谷。約12キロメートルにわたって続く渓谷は小さな湖や川やピンク色をした野生のシャクナゲの群生が見え隠れし、飽きることがない。

   
ダンロー渓谷の終点の古い石橋。

   
キラーニ国立公園湖群、大中小と3つの湖をボートで遊覧。湖畔に建つ古城ロス城を眺める

   
アイルランドの伝統音楽ケルト音楽の楽器の店。バイオリンに似たフィドルやアイリッシュハープ、笛ティンホイッスルが並ぶ。

   
   
人気リゾート、キラーニの街並み。カラフルにペイントされた建物が明るく楽しい。

   
ディングル半島の先端スレイ岬。石垣の境界が延々と山の上まで続き、民家があり羊が放牧されている。アイルランドの代表的な風景。

   
ディングルにある船を逆さにしたような外観のガララス礼拝堂は、数多く残る史跡のなかでも保存状態が良く、石組みだけで1200年間雨も通さずそのままに遺されている貴重な建物。中は人が数人入れるほどの広さで、奥に小さな窓が一つ、この中で古代の人は祈りを捧げていたと言われている。

   
カラフルで可愛いらしいディングルの街並み。

   
茅葺屋根のアイリッシュコテージが並ぶアデア村。おとぎの国の小人でも住んでいそうな可愛らしい家だ。

   
高さ200メートルの断崖が8キロに渡り屏風状に続くモハーの断崖。迫力あるこの景観はアイルランドの代表的な名所である。

   
モハーの断崖の展望台。多くの人々が訪れていた。

   
石灰石の岩盤がむき出しの地形が広がるバレン高原にぽつんと佇むドルメン(支石墓)。絶妙なバランスで立っていた。巨人のテーブルと呼ばれる古代の神秘的なモニュメント。副葬品と共に人骨が見つかっていて祭事的な儀式の場であったとも考えられている。

   
アイルランド島の西にあるアラン諸島のイニシュモア島へフェリーで渡る。古代の謎の遺跡ドゥン・アンガスの断崖絶壁。スリル満点の景観だ。

   
高台にある古代の謎の遺跡ドゥン・アンガスへ辿った緩やかな坂道を振り返る。

   
イニシュモア島キルナロン村のショップ。その昔、暮らしのために手作りしたアラン諸島発祥の手編みニットが、現在はアランセーターとして世界にその名馳せている。子供のセーターや羊のぬいぐるみが並んでいた。

   
北方のコネマラ地方にあるコング村修道院の回廊跡。

 

   
コング村は1951年映画「静かなる男」の撮影地となった所。撮影に使われたコテージの入り口

   
アイルランドらしい牧歌的風景のバレン高原。緑の丘陵地帯に続くのはゴールウェイ湾。今は牧草地だが元々はジャガイモが作られていたとのこと。

   
コネマラ国立公園の北に位置する峡谷の湖畔にあるカイルモア・アビー。山を背景に絵のように美しくロマンテックな佇まいに暫しうっとり。19世紀末に富豪が愛妻のために建てた城館で、その後修道院となった。今でもシスターの姿を見かける。建物の中では、修道士によるジャムやお菓子が売られていた。

   
アイルランドではいたるところで放牧された羊の姿を見かける。

   
聖母マリア出現の奇跡で知られる小さな村・ノックの教会。1879年に村人数十人が、聖母マリア、聖ヨセフや洗礼者ヨハネを教会の壁に目撃。壁の中央の十字架と祭壇の下には羊がいて、その周りを天使が舞っていた。のちに多くの巡礼者を集めるようになり、1979年にはローマ法皇ヨハネ・パウロ2世も訪問したという。写真はその奇跡の様子を再現した現在の教会。

   
ストランドヒル海岸の伝統あるパブ。雰囲気のある店内で、天井の梁にはpost office の看板があり、その昔は郵便局の役目も果たしていたそうだ。

   
ドネゴール県アーダラ村のツイード工房で伝統的なはた織り機での実演。このツイードはドネゴール・ツイードと言われスコットランドのハリス・ツイードと並ぶ最高級生地として有名。ショップに並ぶ生地を触ってみると、確かに地厚でしっかりした代物だった。

   
世界的な歌手エンヤの実家であるパブ「レオズ・タバーン」。正面奥のスクリーンにはエンヤの映像が流れていた。

   
北アイルランドの北海岸の世界遺産ジャイアンツ・コーズウェイ。六角形の柱状節理の石柱が無数に海岸に並ぶ珍しい光景である。

   
北アイルランドの田舎に忽然と現れるブナの並木道ダークヘッジス。この並木は延々と600メートル続くそうだが、うっそうとした枝振りと相まって幻想的な雰囲気を醸し出している。ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のロケ地にもなった場所。

   
アイルランドの東部にある世界遺産のニューグレンジ。直径70メートルを超える円形の古墳で約5000年前の建造と言われている。入口には謎のケルト渦巻き模様の巨石が置かれている。

   
アイルランドの首都ダブリンの街並み。人も多くグッと都会的な雰囲気となる。

   
ダブリンで1592年に創設された伝統あるアイルランド最古の大学、トリニティ・カレッジの図書館。ケルト装飾が施された至宝「ケルズの書」や古文書が長さ65メートルの部屋に天井高く20万冊の蔵書が収められているそうだ。天井は漆喰造りで両側には大理石でできた胸像がずらりと並んでいる

   
ダブリンの街小路、奥に行ってみたい衝動に駆られる路地風景だ。